コロナウイルス感染拡大による外出禁止令解除の範囲がどんどん広がってきた。5月11日からは外出許可証なしで出かけられるようになり、6月2日からは県外100km以上の移動もできるようになった。国境は一部でまだ閉鎖しているものの、7月からは欧州ほぼ全土への移動が可能になる。
そして、劇場もフェスティバルも再開できるようになった! 消毒方法などの課題は残るものの、八方塞がりだった舞台芸術にとっては大きく光がさした感じだ。すでに中止を決めているフェスティバル、例えばジューン・イヴェンツ、ユゼス、アヴィニヨンのインとオフなどには遅かりし解除。
しかし、即刻復活組もある。
ダンス・エラルジー
パリのテアトル・ド・ラ・ヴィル、ボリス・シャルマッツの Musée de la danse、エルメス財団によって2010年に設立された2年に一度の振り付けコンクール。鈴木ユキオがファイナリストに残ったコンクールだ。日程を変更することも、海外からの団体がパリに移動することもできず、今回は異例のビデオ審査。これが配信されるのはありがたい。日本からに見れるわけだ。
54ヵ国から420団体が応募し、選ばれた20団体が個性を発揮する。
予選はフランス時間の6月13日午前11時30分(日本時間午後6時半)から下記のURLで見られるが、13日以降も配信が続行するかどうかは未定。また、翌日14日の決選の配信も未定。
追記(6月16日)
予期されない問題が発生したために、コンクールの模様は配信されませんでした。お詫び申し上げます。
現在はコンクールを紹介する10分ほどの映像が配信されています。
https://vimeo.com/428978440
カンパニーの詳細などはこちらから見られます。
http://www.danse-elargie.com
シノダルコンクール
パリ郊外のサンス市で毎年行われる振り付けコンクール。現在はパリ・オペラ座バレエ団のヴァンサン・シャイエが指揮を取る若いカンパニーを対象としたコンテンポラリーダンスの振り付けコンクール。毎年10月最初の土曜日に行われるので、今年は10月3日が決選となる。希望者は8月15日までに参加登録のこと。
https://www.synodales.com
パリのフェスティバル Paris l'Été
ダンス、コンサート、演劇、サーカスなど幅広いジャンルの公演が見られるパリのフェスティバル。今年は例年とは異なり、7月31日から8月2日までの3日間だけの開催。
フェスティバル開催許可が下りて、即刻実施を決めたやる気満々のフェスティバルに期待したい。
https://www.parislete.fr
Temps d'Aimer ビアリッツのダンスフェスティバル
今年30周年を迎えるフェスティバルは、予定通り9月11日から20日まで。演目の詳細は7月上旬に発表予定だが、マランダン・バレエ・ビアリッツ、モナコ公国モンテカルロ・バレエ団、バレエ・ド・キャピトル、マリー=アニエス・ジロ+アンドレ・マランの参加が決まっている。
http://letempsdaimer.com
しかし、パリ・オペラ座は工事などのため、ガルニエ宮は今年年末まで、オペラ・バスティーユは11月中旬まで閉鎖されるとの発表があった。
これにより、ガルニエ宮で予定されていた年内の演目は中止となる。オペラ・バスティーユは11月24日シモン・ストーン演出の「ラ・トラビータ」で開幕し、オペラ「カルメン」とヌレエフ版バレエ「ラ・バヤデール」が年末の演目となるが、上演日程に変更が出る可能性があるので、後日ホームページで確認してくださいとのこと。
2021年以降の演目と日程は予定通り行われる。
追記(6月16日)
なお、ガルニエ宮の館内見学は、6月22日から再開し、工事による閉館はしない。見学は10時〜18時(最終入場は17時)要予約で、見学はマスク着用のこと。また、パンプレットは事前にネットで取り込むことが推奨されている。